腎臓グループ

腎臓グループの研究内容

1. 小児慢性腎臓病の病態解明

糸球体腎炎、ネフローゼ症候群などの小児慢性腎臓病の発症機序や進展機序について検討を進めています。細胞増殖因子、接着因子、レニン・アンジオテンシン系の関与についてin vivo, in vitroで解析を行なっております。腎線維症におけるTGF-β、インテグリンの役割解明では多くの業績を出し、最近では細胞接着斑分子であるHic-5やレニン・アンジオテンシン系による細胞内シグナル伝達経路の研究でも成果をあげました。

2. 尿中バイオマーカー

腎臓病の早期診断、病態把握、治療効果判定のためにバイマーカーの開発が注目されています。特に尿中のバイマーカーは腎臓の病態進行を鋭敏に反映することで知られており精力的な研究が進んでいます。当グループではレニン・アンジオテンシン系の基質であるアンジオテンシノーゲンに着目し、小児慢性腎炎患者や1型糖尿病患者における尿中への排泄量を測定しました。その結果、尿中アンジオテンシノーゲンは早期診断、治療効果判定に有用であることが示唆されました。

3. 腎臓の発生や先天性腎疾患の遺伝子解析

腎臓の病態生理を研究するうえでその発生過程を理解することは重要です。当グループでは尿管芽分岐とネフロン形成におけるインテグリン、接着斑蛋白やレニン・アンジオテンシン系の役割について検討しています。また近年、遺伝子解析による腎疾患の病態解明は飛躍的に進歩しています。当グループでも連鎖解析を用いて先天性ネフローゼ症候群の原因遺伝子を同定しました。

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